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rgb+ 2015 exhibition vol.7

本日より東京造形大学絵画専攻助手展が始まります。ぜひお立ち寄りくださいませ。

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東京造形大学絵画専攻助手展
岩渕華林/清原亮/西平幸太/野内俊輔/松本加奈
5名による研究発表展を開催いたします。
7回目となる[rgb+ exhibition]はペインティング、インスタレーション、版画、立体とそれぞれの表現形式で構成されます

会期|2015年12月7日(月)→ 12月19日(土)日曜休廊
時間|10:00→17:00
会場|東京造形大学ZOKEI Gallery (大学院棟12号館1F)
クロージングパーティー|12月18日(金)17:30
アーティストトーク|12月11日(金)17:30→
※本展覧会レセプションはクロージングのみとなります。

お問い合わせ|東京造形大学絵画事務室
アクセス|東京造形大学 〒192-0992 東京都八王子市宇津貫町1556 JR横浜線相原駅「東口」→ 大学 (徒歩15分/スクールバス5分)

バス時刻表
http://www.zokei.ac.jp/smenu/access.html

「rgb+2015 exhibition vol.7」 に寄せて

初回メンバーによって命名された助手展「rgb+」も今回は 7 回目、出品者は 5 人となった。
「rgb」は光の三原色であり、本学のスクールカラーでもある。そもそも色彩は相対的である。他との関係のなかで有機的性格を発揮、活動する。それは感性に働きかけ、絵画を豊かにそして勇気づける。だが、同時に色彩を生きる画家に困難を強いるのである。
ところでニュートンの近代科学の反駁として、主観性をとり戻そうとしたゲーテは『色彩論』を著し、〈高昇〉の概念を打ち立て、黄と青を分極性のなかに捉えその両者が結びつくことで、真紅= Purpur が現出されるとしたのである。
色材による色の生成を追及しようとする画家にとってその理解は難しい。
岩渕華林は版を中心に展開してきた。自らの性である女性をモチーフに怒りと祈りを 色彩を纏わせることなく表現は細部と全体性にむかう。和紙を支持体に漆黒の背景から繊 細な線描の重なりによって蝶や花へとメタモルフォーゼする世界が、墨、鉛筆で描出される。
西平幸太も版の方法によって制作をすすめる。極めて個人的な感覚によって収集/選ば れたフェティシュな物の力を引き出そうとする作品は、偏光性のパールインキを刷り重ねると言うフェティシュな技法、その喜びは、視線と作品との交差の仕方によって画像に変化をもたらす実は絵画の正面性に対するメタ絵画でもある。
松本加奈の扱う色彩の幅は実に広く表層は黒で隠蔽されることが多い。作品は絵の具が 支持体上で何かを表象されるのではなく、支持体を持たず様々な色を孕んだ素材が積み重ねられ出現する抽象的な形態は、イリュージョンとしての空間性ではなく有機的形態とし て実体を顕し、内なる色彩へと導く。
清原亮は「キノコ雲」といった歴史的社会的意味を持った画像とそのような意味を持た ない画像をモチーフとする。赤、青、黄の三色の油絵具をアルキド樹脂で希釈、作業のように左上から右へと一行ずつ色班に移し変える方法によって画像の意味性と作家の精神性 の表出の両方に疑いと信頼を寄せ、その両者に楔を打つ。
野内俊輔は絵画の表面に生成するイリュージョンではなくリテラルな物質としての表情 に関心を寄せ、タッチパネルでのドローイングを市販の木製パネルあるいはネットオーク ションで入手した作者不明の絵画に投影し色材の塗装と剥離を反復しその止揚によって作品としてのありかを問う
彼ら/彼女らは助手であり、それぞれがひとりの作家でもある。彼ら/彼女らの仕事は それぞれが絵画存在を問う優れたメタ絵画である。それらは色彩を仲介し〈リアル/リアリティ〉そしてさらにその表現の主体との相関に刺激を見い出す。
観者の一人として、今展での大いなる〈高昇〉を強く期待する。
2015.11月 母袋俊也 東京造形大学教授

(助手 松本)


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