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村田真氏著 「アートのみかた」 BankART出版

20100528ブログ

本学「情報学B」科目を担当いただいているBankARTスクール校長にして美術ジャーナリスト村田真氏の著書「アートのみかた」が刊行されました。タイトルの ”みかた” は 見方/味方 の両義性の表れなのでしょうか。
本書は氏がウエブマガン「artscape」に展覧会レヴューを書き始めた1999からの10年間に掲載したレヴューの約半数を500ページにまとめたものである。それぞれは短文、平易な語り口調で書かれ親しみがあるが、時に辛辣でもある。だがこれは、美学、美術史を出自としない著者がその学術性/専門性の内部に深化しようとする姿勢から一定の距離を置き、自らを美術ジャーナリストと位置付け緩やかに外部に見を置くその立場をつらぬこうとしている現われであり、結果全体を読み進めていくと、そのやや乱暴とも思える物言いが、かえって美術の本質に切り込んでいっている。外部性からの本質顕現の手法。

ちなみに母袋俊也展の掲載は、75,189,239,455、498ページ。
他にも、本学客員教授 中村宏先生、豊嶋康子、田中功起、西原功織氏ら、講師、講師経験者はじめ宮本裕美,傍嶋崇、平下英理ら卒業生の名前も散見されます。最終ページ近くには、昨年ZOKEIギャラリーで開催された院生の「Mポリフォニー」展も掲載され佐藤翠にも触れています。

本書装丁にある絵画群は、村田氏によって描かれたものである。外部性を備えたそれらが記号を越えた絵画であるのか?制作者、指導者の立場から、美術に絵画に求められる外部性/内部性 再考である。書評のような体になりました。

図書館での購入手続き済みである、ご一読を。

教員:母袋俊也


(助手:真之介)


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