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「環境とフィードバックしあうパフォーマンスワークショップ」

4週間にわたったワークショップの最終日。4チームにわかれた学生達によるパフォーマンスの公演日です。どのチームも前日のリハーサルを通して浮かび上がった問題点に大幅な修正を加えての、力のこもった内容でした。このパフォーマンスでは、何かを見せるのではなく、経験を作り上げることが目指されましたが、チームごとに様々な工夫をこらして観客全員を作品の中に引き込むことに見事に成功しました。チームメンバーのはたらきかけによって少しずつ観客が動き出し、次第にそれが一つの渦のように相互に作用し合っていくようになる様子は圧巻でした。

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チーム三大テノール:「理想の集合」

観客に伝達ゲームへの参加を呼びかけます。一連の動作を3人の演者が「ポエム」「体の動き」「音」の要素に分解して伝えます。観客は進行役の指示に従い、次々に伝えて行きますが、次第に情報が混乱し、また減少していきます。次にバドミントンのラケットやなわとびなどの遊具が渡され、「遊んでください」と告げられます。最後に遊びに使った道具が床に並べられ、それらを順番に用いながら、3人の演者が最初に演じた一連の動作の正体を明らかにしていきます。

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チーム西東京旅客鉄道株式会社:「彼女は揺さぶり、惑わし、動かない」

ぶつぶつとつぶやきながら、宛名の書かれたおびただしい数の封筒が女性演者によって壁に貼られていきます。別のチームメンバーが、女性が書いた手紙を観客に配りはじめ、観客はそれを読み始めます。しばらくして観客はその手紙への返事を書くように指示されます。書いた返事は封筒にあわせて壁に貼られていきます。さらに観客は貼られた返事のどれかに、「彼女」になったつもりで返事を書くように指示されます。

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チームnienie:「さぐる」

一端廊下に出された観客は、アイマスクをして暗い部屋に一人ずつ通され、立つ位置を指示されます。部屋の中には嵐のような音が流れています。すべての観客の中から数名が選ばれ、そのまま床に座って室内に流れている音を紙粘土で形にするように指示されます。他の観客はアイマスクを外すことを許され、室内には嵐の映像が流されていることに気づきます。チームメンバーが小声で色々な質問をしていきます。次第に会場にいる全員が、そこで起こっている出来事に静かに巻き込まれていきます。

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チームiijimasan:「なげつける、はねかえる」

観客は全員大きな番号札を胸につけて、会場の中央に集められます。仕切り壁の上部に設置されたビデオカメラ越しに、隣室にいるチームメンバーが「ピコポコ君と10回言ってください」、「反復横跳びをしてください」、など次々に指示を出していきます。指示の内容は「笑ったまま将来について考えてください」、「あなたは蝶です、自由に飛びまわってください」などエスカレートしていくとともに、「ちゃんと考えろよ」とか「もっと口角を上げてください、さがってますよ」とかヤジがはいってきます。最後は円になって座るように指示され、チームメンバーが現れて観客に質問していきます。

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最後に学生と観客全員が輪になり、チームごとの講評と観客との意見交換が行なわれました。今日の公演には、映画専攻領域の学生さんに加え、諏訪教授も参加してくださいました。専攻領域を超えての講評会は、双方の学生にとって得がたい刺激になったと思います。

広域2年生はこのワークショップを通して、表現することについての幾つもの新たな経験をしたことと思います。河村美雪先生、連日にわたる刺激に満ちたご指導ありがとうございました。

(教授 有吉徹)

(助手:真之介)


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