2011年5月24日 カテゴリー:授業の様子, 版表現
版表現の新学期は、震災の影響もあって5月からのスタートになりました。今年の2年生は、埼玉県小川町での校外授業手漉き和紙研修からスタートです。ここでは大判の和紙漉きも体験出来ます。なかなか上手くは漉けませんが、版表現に良く使用する和紙を作る工程を良く理解出来ます。また小さな漉き枠に紙の材料と布や色糸等を流し込み、簡単な紙造形も試みました。

楮の皮むき作業です。慣れてくると結構楽しい。

伝統的な流し漉き。上手く道具と水を操れません。要修行。


乾燥させます。刷毛さばきが大事です。

簡単な紙造形遊び。こちらは修行要らず。自由にやってます。

小川町在住で卒業生の阿藤久枝(旧姓)さんも、ゲンペイくんと来てくれました。
さて、大学での授業も始まりました。木村繁之先生の木版の授業です。素敵な参考作品を見ながら楽しそうです。木版での水性と油性の表現の違いを学びながら制作していきます。


今年から銅版を教えて頂く、今井庸介先生の授業風景です。高度な表現技法をお持ちです。学生の皆はよく見て学んで下さい。 宜しくお願いします。

また、今年度からは学部共通科目の版画関連の授業も新たになりました。ハイブリッド科目という科目の中に、4つの版種を学ぶ授業が出来ました。専攻も学年も共通、半期科目で版技法の基礎的内容を学びます。下の写真は、松本三和先生の版画A-リトグラフの授業風景。

(教員:生嶋 順理)
2011年5月23日 カテゴリー:お知らせ
母袋ゼミでは拡張プログラムとして作家、キュレーター等へのインタビューをシリーズとして年に2回程度開催することとなりました。
それらは動画として本、絵画ブログ、youtubeなどの動画サイトに掲載、アップロードしていくことになります。
初回としては昨年まで助手として絵画専攻をサポートしてくれた作家、原田郁さんとなります。
インタビューは昨年11月19日にされたものです。
今後随時、アップロードしていく予定です。絵画ブログ右側の「母袋ゼミ拡大プログラムインタビューシリーズ」のバナーから動画のページに行くことができます。
↓原田郁インタビュー動画(youtube)

なお「BT(美術手帖)2011年6月号」P165~
ターレンス 若手アーティストの制作現場 vol,1に原田さんのインタビュー記事が掲載されていますのであわせてご覧ください。


(助手:真之介)
カテゴリー:ゼミナール, 個展・グループ展
私のゼミの学生と展覧会見学に行って来ました、六本木の新美術館を手始めに、その界隈のギャラリーを巡り、教員や卒業生の展示を見てから、最終地は私の友人の個展会場でダンスパフォーマンスも行われたにぎやかなオープニングでした。ついでと言っては失礼ですが、その際の巡った教員や卒業生の展示もご報告します。


最初は既にこのブログでご紹介しましたが、今年度から形象表現研究指標の講師になっていただいた薄久保先生が参加する展覧会です。「華咲く18展」と題された18人の画家による小品展ですが、ベテランばかりのグループに招待された形での参加のようです。6回目を数える展覧会のようですが、今回は東北大震災に向けてのチャリティー展にしたとのことです。6/4まで。http://www.gallery-hana.com/

次は、武内明子さん(2008年学部卒業)が参加した4人展です。銀座のギャラリーゴトウで21日までの開催でした。「G park」と題された4人展はギャラリーによるチョイスだったのでしょうか、若々しい印象の展覧会でした。武内さんは近年、「上野の森美術館大賞展」優秀賞(2007)、「飛騨高山現代木版画ビエンナーレ」協賛賞(2007)を受賞するなど頑張っている卒業生の一人です。

最終地は日暮里のギャラリー HIGURE17-15 cas で、私の友人の展覧会を見ました。福島県いわき市在住で実際に大震災を被災したアーティストで、作品はその事実を色濃く反映していました。上は私のゼミ生ですがデザイン学科の学生が多いですね。 http://hgrnews.exblog.jp/16244517/
(教員:近藤 昌美)
2011年5月19日 カテゴリー:個展・グループ展
5月16日から大学最寄りの相原駅近くにて、学部4年生の企画による、祀り小屋<-KOYA- Exhibition> が開催されています。
会場は一般的な展示スペースである、いわゆるホワイトキューブとは異なり、昭和の空気を内包した一軒の古民家でした。この会場は、学生達が地域の方々と交流を取り、ご厚意で貸して頂いているスペースだといいます。学外での展示活動、とも少し趣を異にし、地域社会と芸術をコミットする場として大変意義深い活動だと思います。お近くにお越しの際は、是非お立ち寄り下さい。
会期/2011.5.16-5.27
時間/11:00-19:00 お休み/5.25
会場/東京都町田市相原町1206-4 下川邸 JR横浜線相原駅西口下車 徒歩5分
出展作家(学部4年)
蝦名 貴徳/今井 貴広/佐々木 耕太/中山 晃子/松本 加奈/宮尾 塊多

松本 加奈 存在しあうこと

蝦名 貴徳 狂想曲


佐々木 耕太 そこからここまでのあいだ

中山 景子 露おちて花のこれり。のこるといへども朝日に枯れぬ。或は花はしぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、ゆふべを待つことなし。

今井 貴広 つくる/つくられる/はじめからある

宮尾 塊多 イリグチハデグチ
昨日18日はオープニングパーティーが開かれ、学生、教員をはじめ、学芸員の方々もお見えになり、大変盛況なパーティーになりました。近隣住民の皆様、昨日はお騒がせ致しました。今後も温かく見守って頂けると幸いです。
(助手:青木)
カテゴリー:お知らせ, 形象表現
美術雑誌の”芸術新潮”に松本先生のギャラリーアイショウミウラアーツでの個展(2011、3/5〜4/2)が取材、掲載されていますのでご紹介します。ぜひ、見てみて下さい。

(教員:近藤 昌美)
2011年5月16日 カテゴリー:個展・グループ展
何人かの学生や卒業生から展覧会の案内状をもらったので行って来ました。本学の卒業生、在校生は本当に活動的で、そのすべてにはとても行けませんが、時間が許す限り行きたいと思っています。卒業生に対して出来ることは、個人的にはまずは発表を見てあげることだと思っています。
最初は中野の中野ブロードウェイ内の村上隆さんのギャラリー「HidariZingaro」での日本画Zero展に出品していた森次慶子さん(2008年学部卒業)です。彼女は一度就職後に作家活動を始め現在はカイカイキキで活動しているようです。


作品はS100号を2点で、1点は2階のショーウィンドーでしたが、今やオタク文化の総本山と化したかのような中野ブロードウェイの空気をたっぷり吸い込んだような作品でした。
次はすでにこのブログでもご紹介した栃木県小山市立車屋美術館でも個展を開催中の五月女哲平君(2005年学部卒業)の個展です。目黒区のギャラリーAOYAMA/MEGUROで6/4まで。「猫と土星」と題された展覧会ですが、目黒は土星、栃木は猫が象徴的に使われ眼前の絵画作品の向こう側まで観者の思いがすり抜けて行くような印象の作品でした。
http://www.aoyamahideki.com/



次は、根津からアートチヨダ3331内に移転したギャラリーJinプロジェクツでの、移転こけら落とし展である永田惇哉君(2011年学部卒業)の個展です。6/5まで。彼は2年次に群馬青年ビエンナーレで準大賞を獲得し学部の早い時期から個展等を重ねて来ました。今回はこの3月に卒業したばかりでの個展ですが、元気で活動して行けそうです。http://galleryjin.com/exhibitions/110507_nagata.html




次は、銀座のギャラリーSOLでの上根拓馬さん(2002年学部卒業)の個展です。上根さんは現在2年生の集中授業、立体表現の非常勤講師も務めてもらっています。




下右はご本人と作品です。作品はいわゆるフィギュアのようですが、一体一体をじっくり見てみると仏像を下敷きにしているようにも見えます。上根先生は今後の展示予定も数年後まであるそうで、多くのコレクターから評価されているようです。今日回って来たこれまでの3人はこの景気後退感の中でもそれぞれ赤丸がたくさん付いていたのが印象的でした。
最後には、在学生の展示に行って来ました。形象表現研究指標3年の尾張真理さんです。台東区の上野高校の裏手のGalerie Moineau というカフェに併設された小さなギャラリーでの二人展ですが、パートナーは本学のデザイン学科の学生のようです。http://www.moineau.jp/gallery/f3企画%E3%80%80尾張真理-納富馨子展/


まだまだ荒削りな印象の作品でしたが、3年生になり少しずつ独自性が現れて来ており今後が楽しみです。
在学生や卒業生の展覧会を見て回るのは楽しいのですが、その数が重なると一日では回り切れなくもなりますし、歩く距離も大変です。でも良い運動にはなりますね!
(教員:近藤 昌美)
2011年5月14日 カテゴリー:未分類
絵画専攻恒例の新歓コンパが行われました。毎年2年生が各指標で料理、飲物等担当を決めて行っているようです。もちろん学内でのコンパですので教員が監督する旨の書類も提出し、非常に健康的に行われました。未成年の飲酒はあり得ませんね。


2年生主催ですが、2年はまだ4つの指標に分かれたばかりですし、1年生も授業が始まったばかりですので正直に言うと1年2年の区別がつきません!3年生が気を利かせて飲物と焼き肉を持って来てくれたので、どうにか食べ物にありつけました!参加者も多く大変にぎやかで楽しそうな新歓でした。
(教員:近藤 昌美)
2011年5月13日 カテゴリー:形象表現
今年度から形象表現研究指標の非常勤講師に就任していただいた、薄久保香先生をご紹介します。薄久保先生は本学絵画専攻を卒業後、他学の大学院、博士課程を修了し現在は新進気鋭の画家として華々しくご活躍中です。
薄久保先生も形象研究指標の出身です。一番若い教員ですので、学生たちにとっては身近でありながらもその発表業績はあこがれの対象になることでしょう。今年も横浜トリエンナーレへの参加、東京、ベルリンでの個展、佐藤美術館での招待作家としての展示など展覧会も目白押しで、その評価は高まるばかりです。これからきっと良い影響が学生たちに出てくることでしょう。

形象2年生と。下記は本学教員紹介のurlです。合わせてご覧下さい。
http://www.zokei.ac.jp/professor/index.html?id=288&blng=10
(教員:近藤 昌美)
2011年5月11日 カテゴリー:お知らせ
昨秋、青梅市で開催された〈アートプログラム青梅2010「循環の体」展〉
2010年 10月30日(土)〜11月28日(日)
カタログA4、全80ページ刊行。

母袋俊也(絵画専攻領域教授)

「M377 TA・KY OB AS HI」

「M378 Kyobashi 1」
「風景にみる視線の双方向性 KY OB AS HI-OHME」
絵画を考えようとする時、視線の双方向性、絵と眼差しとの関係は、僕のなかでその重要性をますます強くしてきているように思える。それは絵画が果たそうとする使命を考えることにほかならない。
僕が視線の双方向性について初めて意識したのは87年のロシアでのイコン体験であった。
教会内では、乏しい光のもとイコン壁を前に老婦が立ち、そこに描かれた聖人たちに視線を注いでいた。その姿は同時に静謐のなか多くの聖人に見守られているかのようにも思えたのだった。そこには見、見られる関係、視線の双方向性があり、絵画からの視線、絵画の果たすべき役割があるように思えたのでした。
実は、そのような見、見守られる関係を僕は風景にも強く感じることがあるのです。
03年、妻有で制作した《絵画のための見晴らし小屋》の窓は越後三山の稜線を切り取ったものだった。そもそも「風景」とはデカルト的明晰な眼によって秩序づけられ形成される。すまわち対象、世界はわれわれの視線の束によって捉えられているというのである。しかし有史以前からそこにあったのであり、後に人々は盆地の内側にあって、生を営んできた。
それは、山を見ながら、そして山々に見守られての暮らしであった。
デカルト的に言えば、その視線により対象を秩序づけ風景を生成、支配するかにみえる人は、実はその対象である山に見られることをとおして生き、存在を顕かにするのである。
そこに絵の使命を風景の中にも見出すのである。それが僕の風景を描くテーマの一つの理由でもあるのである。
今回出品した《M377 TA・KY OB AS HI》は、風景を手掛かりに障屏画をモデルに展開している”TA”系に属する。08年、京橋のINAXギャラリーの展示むけ想念上の関東平野をモデルに画面水平戦上部には平野西部の多摩の山々の稜線が描かれていた。
期せずして今回、その多摩地区、青梅は青梅市立美術館に作品は移され、日本画展示ケース内への展示が試みられ、京橋方面と対面する機会を得た。画面内に描かれた想念上の関東平野の水平性は京橋、青梅、2箇所の展示を経て画面を貫き大きく延長、東と西を接続させ、内側に立つわれわれとの対面を果たしたかに見える。
2010,12 母袋俊也
白井忠俊(1996年 絵画専攻卒業)
想像してもらいたい。
例えば、長大な画巻である横山大観《生成流転》そしてやまと絵の名品《日月山水図屏風》を描かれた内容のみを重視し、絵画形成をゼロベースに設定してみる。例えば、短形であること、絵巻物であること、屏風であることをゼロにしてみる。
《生成流転》を始まりと終わりを繋ぎ合わせ円筒状態に展示する。
《日月山水図屏風》を蛇腹折りでなく、12面体の円筒にして展示する。
どうだろうか?円筒の状態であるほうが自然ではないだろうか。なぜなら、どちらにも東洋哲学がもつ、循環や輪廻が作品内容に含まれているからではないか。
人類の歴史において円筒に絵を描くことは奇をてらった行為だろうか。縄文土器の円筒面は表現の場ではなかったのか。
いつの時代も人々は終末思想、末法思想に心ひかれる。”円筒絵画”は循環する時間制を発生させ、「終わらない」ことを実感させる。
私たちが「終わり」に囚われることから自由になれるかもしれない。

「いつもと変わらない一日」

手前から
「何を知りたかったのか忘れてしまった」
「どんな答えを欲していたのか忘れてしまった」
「何を探しているのか忘れてしまった」
学生出品作家
滝川おりえ

「ON」
藤原佳恵

「彷彿」
大城夏紀

「瞬間の認識」
磯邉寛子

「那由多」
佐藤理恵

「マダム・ブループラム」
野坂紗智

「lines」
榊貴美

「I’m looked when I’m looking」
佐藤賢

「1㎜の視点」
佐藤慎吾

「識閾の風景」

ガイドツアーの様子
(助手:真之介)
2011年5月9日 カテゴリー:その他
栃木県宇都宮市に進学説明会のために行って来ました。進学説明会とは広い会場を30ほどのブースに区切り、そこを借りた大学や専門学校が会場を訪れる受験生に入学の情報を提供するという催しです。主に栃木県内の高校生が対象ですが参加している大学、専門学校は美術、デザイン系に限られ、それらを目指す受験生に少しでも多くの入学情報を伝えるべくどのブースの学校も工夫を凝らしています。我々教員は持ち回りで年に何回かはこうして全国の説明会に出張します。関西や東北の美大も参加していました。また、地元の美術予備校もブースを出しておりますので、お互いに情報交換の場でもあります。

会場は宇都宮市内のマロニエプラザという大きな体育館のような施設です。


入試合格者作品などを展示している準備風景です。高校生がたくさん来場中は対応に忙しく撮影している時間もありません。会場全体の来場者総数は350名ほどでした。

千葉の予備校もブースを出していて、そこの講師をしている卒業生から声をかけられました。高宮宙志君(2008年学部卒業)です。卒業後は受験生の指導をしながら制作を続けているようです。
こうした地道な広報活動も授業運営とは別に大切なものですが、どの教員も来年度も良い学生に来てもらいたいと丹念に取り組んでいます。
(教員:近藤 昌美)
« 前のページ
次のページ »
↑ move to top of this page