2011年06月の記事
2011年6月14日 カテゴリー:お知らせ, 概念表現
「東京造形大学[研究報]2011 Vol .12 発行」
本刊に母袋俊也が研究論文「母袋俊也 絵画 マトリックス 1987-2010 M1~M431」を寄稿しています。
1987年から2010年までにフォーマート研究の実践として制作した絵画作品全431作を、母袋俊也オフィシャルウェブサイトhttp://www.toshiya-motai.com/のレゾネを中心に編集、絵画をめぐるエッセイ、美術史家 林道郎氏との対談によって全92ページに構成されています。
東京造形大学研究報 2011 Vol.12 (A4判)
母袋俊也ページ:p79~180
問い合わせ:東京造形大学研究室事務 Tel:042-637-8111
(助手:青木)
2011年6月11日 カテゴリー:形象表現
私が担当する形象表現研究指標3年生の講評会が行われました。20名程度の学生を2日に分け、それぞれ3名の教員が講評に当たります。
全員の作品をご紹介出来ないのが残念ですが、どの学生も要求サイズ以上の力作を出して来ており、多目的室を借りて二人展形式にするなど全体的に非常に力が入っていました。形象3年ではこの講評を月に1回程度、前期に3回を予定しています。制作量を維持しながら質的な向上を目指し、同級生同士が刺激し合い成長して行けるような環境を作って行きたいと思います。
(教員:近藤 昌美)
カテゴリー:個展・グループ展
このブログでもその搬入風景をご紹介済みですが、会期が始まりましたので各作品をご紹介します。参加学生は大学院美術研究領域の絵画と彫刻の有志17名です。
会場の全体風景です。
入口正面には清原亮君のペインティング2点。「hiroshima」「Atomic Bomb Dome」
榊貴美さん。「American cherry boy Japanese cherry boy」
神山亜希子さん。「死は隣人を連れて来る」「救世主、樹」
青木亜由美さん。「生きる」
生井沙織さん。「a profile – 石榴-」
佐々木翠さん。「それは話しはじめた」
長野真紀子さん。「とうめいな時間」
三上麻里さん。「エニグマレーレ」
藤原佳恵さん。「********」
小泉奏子さん「ユーモアと見栄がある」
河崎辰成君。「ハードワーカー」
黒澤萌さん。「空調の性能」
立川美圭さん。「ある場所」
入野陽子さん。「satellite」
大城夏紀さん。「そここ」「交通整理」
柿ノ木ひとみさん。「今日は僕です」「ヤマノウエノヒト」
阿部美帆さん。「習性・洗濯」
絵画と彫刻の有志展で共通テーマも設定しませんでしたので、やや凸凹した展示ですが今回の企画で専攻を超えたコミュニケーションが広がってくれればと思います。また、今回の参加学生のうちの5名が他大学からの進学者であり、そうした意味でも広がりを期待したいと思います。まだ、会期終了まで間がありますので是非ともご高覧下さい。
(教員:近藤 昌美)
カテゴリー:個展・グループ展
大学院生と卒業生が展覧会をしていましたので行って来ました。
最初は中央区人形町のSPACE/ANNEXギャラリーで大学院2年生の青木真莉子さん(主査教員:高橋)と湯浅加奈子さん(主査教員:高橋)が二人展を開催しています。「リムトリップ」と題された展覧会は院生らしいクオリティーでした。6/16まで。
会場は1階と地下があるので、二人でそれぞれを個展形式で使っていました。1階ギャラリーでは平面作品である湯浅さんが展示をしています。上は本人と作品です。
地下のギャラリーでは青木さんが大規模なインスタレーション作品を展開していました。鹿の剥製を中心に写真作品や様々なものが配置され、不安感を惹起させるような印象でしたが、本人の意図は未確認ですが今回の大震災を思い起こさせる感じです。
次は神田神保町の文房堂ギャラリーのグループ展「アウトレンジ2011」に参加している4年生と卒業生の作品を見て来ました。
オープニングで大盛況な会場では作品がなかなか撮影しづらかったですが、壁面一面に作品を展示した今年大学院修了の八重樫ゆいさん(主査教員:近藤)の作品と本人です。
概念表現系4年生の深谷昂弘君の作品と本人です。力強いペインティングが印象的でした。
(教員:近藤 昌美)
2011年6月7日 カテゴリー:個展・グループ展
6/7〜19まで、渋谷区のNHKふれあいギャラリーで開催される大学院美術研究領域(絵画、彫刻)1、2年有志17人による「Art Polygon」展の搬入、展示に行って来ました。この展覧会は毎年各美大にNHKから展示企画が打診される、「エコール・ド・渋谷 」というNHKアートギャラリーを利用した展覧会です。今年度の本学の展示は学生の自主企画運営として、絵画、彫刻の院1、2年の参加希望者有志が集まって、展覧会タイトル、案内状、ポスターのデザインから実際の運営まで学生達だけで準備して来ました。タイトルの「Art Polygon」の”Polygon”とは多角形という意味らしく、集まった自分たちを指しているようです。ぜひ、皆さんも足を運んで下さい。
http://www.zokei.ac.jp/works/2011/034.html http://www.nhk.or.jp/event/fureaihall/gallery/index.html
会期が始まったら会場風景もアップしたいと思います。
(教員:近藤 昌美)
2011年6月5日 カテゴリー:個展・グループ展
中央区京橋のINAXギャラリーで開催されている卒業生の三井美幸さん(09年院修了、主査教員:近藤)の個展に行って来ました。(6/1〜6/25)
http://inax.lixil.co.jp/gallery/contemporary/detail/d_001875.html
「Black Party」と題されたインスタレーション作品は写真や鹿の角、ガラスなど多くの素材で構成され、そのタイトルの通り一種異様な雰囲気です。彼女は2年次に形象表現に進級して来た時から一部の例外を除き、学部大学院を通して一貫してインスタレーション作品を制作して来ましたが、その作品概念は現在のスタイルに繋がるものが当時から現れていたことが思い出されます。
(教員:近藤 昌美)
2011年6月4日 カテゴリー:合評会
1年生の初めての合評会が3日間を掛けて行われました。1年生の84人を3つのグループに分けて、それぞれ3人の教員が講評して行きます。学生はその3日間すべてに出席します。2年以降の講評に比較すれば短いのですが、それでも一人5分以上の時間を掛けて本人の制作意図を聞き、教員からのアドバイスを伝えます。学生達も受験までのキャリアの違いもあり、また制作の方向性もそれぞれなので新鮮な印象だったのではないでしょうか。課題は着衣人物のダブルポーズをドローイングとペインティングで表現するというものでした。両方の提出が求められます。
(教員:近藤 昌美)
カテゴリー:個展・グループ展
今年大学院を修了した渋谷ゆかりさん、学部4年在学の八木梓さんがそれぞれ個展を開催中ですので行って来ました。
まずは渋谷のギャラリーLE DECOで開催されている渋谷ゆかりさんの個展です。6/5まで。
http://home.att.ne.jp/gamma/ledeco/g1.html
渋谷さん(主査教員:有吉)は広域表現研究指標から大学院に進学して来て以来一貫してインスタレーションを中心とした作品を制作して来ました。今回の個展では「糸引き」と題された人と人とのコミュニケーションをテーマとしたビデオインスタレーションですが、来場者と作者である渋谷さんとの実際の「糸を引く」パフォーマンスもあり新鮮な体験でした。
丁寧に包まれた金糸を取り出して、その端と端を来場者の小指と作者の渋谷さんの小指につなぎます。ギャラリーの中で数メートル離れて座り、糸が引かれる密やかな感触を感じることで人との繋がりを実感するという体感型の作品は、非常に不思議な感覚を残してくれました。その感覚こそが渋谷さんの作品なのでしょう。
次は両国のギャラリーART TRACE で開かれている八木梓さんの個展です。6/22まで。八木さんは形象表現研究指標出身の4年生ですが、これが初個展です。「Gurory」と題された展覧会ですが、これはグロテスクとガーリーを組み合わせた彼女の造語らしいのですが、Grotesque +girl であればスペルがやや違うような気がしますが、要は女性的でありかつグロテスクな要素を持つ絵画ということなのでしょう。http://www.gallery.arttrace.org/current/current.htm
まだまだ完成度が足りませんが、自分の絵画スタイルをどうにか手に入れようと模索、努力していることが良くわかる展示でした。これからも制作量を上げて一層の作品的な充実を望みます。
(教員:近藤 昌美)
2011年6月3日 カテゴリー:お知らせ
展覧会のお知らせと掲載記事のご報告です。
飯田市美術博物館にて、前沢知子(概念非常勤)の展覧会が開催されています。
『組替え絵画/私たちの作品を見てください― 66/150 飯田市美術博物館にて2011 』
会期:2011年5月3日(火)− 6月5日(日)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日
主催 飯田市美術博物館
会場:飯田市美術博物館
〒395ー0034長野県飯田市追手町2丁目655ー7
TEL:0265-22-8118 FAX:0265-22-5252 http://www.iida-museum.org/
前沢知子は、1972年に長野県に生まれ、東京造形大学を卒業後、国内外の画廊や美術館での数々の展覧会において、人々が普段「気付かないこと」あるいは「認識とは何か」を作品制作を通して問うてきました。近年ではその対象を自身の体験をもとに教育や育児の領域にも広げ、ワークショップにおいても子供たちが手足全身を使って思いっきり生き生きと制約なく描くことができる広々とした場を設定し、「人はなぜ描くのか?」を実践しています。
21世紀をむかえて以来、様々なパラダイムチェンジが起こっている近年の社会環境の真っただ中において、今回の飯田市美術博物館における展覧会は、美術館の既存の建築的構造物、丸や四角の柱、はたまたガラス越しに見える桜の木の移り変わりといったこれらの「要素」と「絵画」を関係ととらえ、鑑賞者その人なりの「絵画の借景」を眺めることができるでしょう。
<作家コメント>
「絵画の借景」
私の生家は天竜川の渓谷にあり、窓から眺める風景は、川からの霧で木々が見え隠れし刻一刻と変化していました。それは眺めること(媒体/関わり)により、自然/空間に霧と木々とで現れる「関係性の空間絵画」でした。
ワークショップ『からだをいっぱい使っておえかきしよう!』で出来た素材を、作家の最低限の制作行為(トリミング)により平面150枚にして、うち66枚を構成し、自由に組替え可能な『組替え絵画』作品として展示しています。
ワークショップでは床一面の巨大な紙の上で親子が全身でお絵かきすることで、描画行為の本質(原初的欲求/身体性)を体験しました。「発達と認知」「現象と場」「行為と環境/状況/コミュニケーション」など社会の「あらゆる関係性」が、媒体を通して空間要素と関わり、関係性の絵画空間「絵画の借景」が現れます。
また、展覧会の様子が信濃毎日新聞、南信州新聞(『続アートから広がる可能性』連続コラム1〜5)などで紹介されています。『世田谷ライフNo37』(枻出版社)では「EDGE of FACE」(企画協力:勅使河原純/美術評論家・元世田谷美術館副館長)では、世田谷美術館でのワークショップとともに作家紹介として掲載されています。
『世田谷ライフNo37』(枻出版社)「EDGE of FACE」
(助手:真之介)
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